地域の歴史 富良野~馬鈴薯と農業用倉庫〜 取材日 2014年3月8日(土)
取材地 富良野市生涯学習センター
  建築物から見る農業の歩み  

 富良野市教育委員会が、市内建造物の歴史や文化的価値を調べた「富良野の近代建築」を報告書にまとめました。調査は2011年度~13年度(平成23年度~25年度)に行われ、対象建造物は築50年以上を経た建物、約90か所です。ふらびズムでは、調査担当の富良野市教育委員会 市博物館の澤田健さんに「農業用倉庫」から見る富良野の基幹産業・農業の近代の歩みを教えてもらいました。

「富良野には、農産物の貯蔵・流通に使用する倉庫が多数現存します。調査では、明治から昭和30年代頃の建物で、駅前に馬鈴薯(ジャガイモ)を治める倉庫がたくさん残っていることが分かりました。馬鈴薯の生産は、特に昭和30年代から40年代前半まで盛んでした。」とのこと。馬鈴薯は、戦前から生産され、大正から昭和20年代に、澱粉製造のための工場がたくさんあったそうです。そして種イモを作る時代となり、その後、水田ブームと到来。昭和30年代後半から、水田面積が広がったと言います。

 築50年以上の「農業用倉庫」は、現在、タマネギの保存を主体にしているもの、使われていないもの、物置代わりなど、その用途は様々です。澤田さんは、「石造りや木造の倉庫には、富良野のまちの歴史が刻まれている」と述べ、「建物は目で見る地域のシンボルで郷土の歴史、風土、産業をあらわす証言者。地域の歴史を次世代に継承していく必要がある」と言われます。「保存には、莫大な予算がかかるので、みんなで知恵を出し合いながら利活用ができれば…」と続けました。

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取材地 富良野市生涯学習センター
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