富良野塾OBユニット 於 富良野演劇工場

富良野を拠点に活動する卒塾生たち

 富良野塾(倉本聰氏主宰1984年-2010年運営)の卒業生で、卒塾後も富良野に残り、生活を続けているOBは約40名、現役で演劇を続けている人が20名ほどいます。

 「富良野塾OBユニット」は、2009年に結成された演劇集団で、5人の俳優と3人の女優が所属しています。富良野沿線を中心に年1回の公演を行なってきましたが、毎回、満席になるほどの人気ぶりで地域の人たちにとってはおなじみの演劇集団となりました。今年の演目は、作家原田宗典氏が書き下ろしたサスペンス「箱の中身」。いつもユーモアのある作品を選ぶユニットの舞台とは一味違うテイストのステージでした。観客は始まると同時に静まりかえり、結末に向かって固唾をのんで見入っていました。

 今回の主役兼演出の久保隆徳さんは「(富良野で活動しているのは)都会や中央からではなく、地方からの発信に魅力を感じています。毎回新しいものにチャレンジしていきたい」とこれからの活動について意気込みを語ってくれました。 ユニットは、演劇公演の他に、地域の小中学校の演劇指導やコミュニケーション能力のスキルアップをするワークショップを実施し、道外からの参加者も受け入れています。 ユニットを始め、富良野在住の卒塾生たちが地域に与えている影響は大きく、「演劇のまちづくり」のシンボル的な存在と言えるでしょう。

取材日:2012年10月22日(火)、11月3日(土)他