ふらびズム

 
富良野市経済部 農林課長 上田博幸さん

取材日 2014年1月9日(木)
取材地 富良野市役所

富良野の農業と新規就農について

 明治の開拓以来、富良野市を牽引してきた基幹産業の農業。現在、市の農業は、野菜、果菜作物を中心に北海道を代表するブランドとして全国に浸透し、農業販売額は、160.6億円(2012年度現在。富良野市HPより)に及びます。しかし、自然環境に左右されること、担い手不足、世界経済の影響など、農業者は、常に課題に向き合わざるを得ない状況でもあります。そのような、富良野農業の現状と課題、また、新規就農について、市経済部農林課の上田博幸課長にお話を伺いました。

 「富良野農業の主要産物は、野菜全般です。特にタマネギが、全道有数の産地として有名です。また、メロン、スイカ、スイートコーンも美味しくて人気があります。内陸部の盆地のため一日の寒暖差が糖度や美味しさを作り出す源です。また、イメージがあまり無いかもしれませんが、酪農も富良野農業の主要な分野で、良質な乳製品を全国に出荷しています。富良野の農家は、道内で比較的経営規模の小さいながらも、高い技術力で、良い農産品をずっと続けてきた結果、市場にブランド力が認知されてきました。

 しかし、農業者の高齢化と少子化、後継者不足は、この地域でも、例外ではありません。昔は、近隣の産炭地から女性の応援があったのですが、現在は、ほとんどいなくなりました。一方で『農業ヘルパー』として、年間、約120名の方が全国から応援に来て、リピーターやそのまま定住し、農業者になることを希望する人もいます。現在、市内で8組の方が、就農を目指して研修中です。就農は、『従事』と『農業経営』という2つの形態があります。『従事』を希望の方は、各農家が募集していますので、ハローワークに登録すれば可能です。『農業経営』を目指す方は、まずは、市役所にお問合せください。農業関係機関・団体と行政で組織する就農支援会議の窓口となっています。その後、農業経営に至るまでの審査・サポートを組織が一丸となりサポートしていきます。

 しかし、農業者となるためには、まずは、ご自身の覚悟が必要です。開業の支援金や給付金などのシステムはありますが、研修を開始するために自己資金が、必要です。また、自然相手はリスクがつきもの。いざという時の蓄えも無くてはなりません。」

 上田さんは、富良野生まれの富良野育ち。学生時代を除き、富良野で生活をしてきました。市役所では、ずっと農業を担当してきました。 そんな上田さんの富良野への想いは…「実家が農家でした。現在も農村部で生きています。農村のコミュニティは、助け合う強い絆で生きて行くという特徴があります。私は、そこに暮らすことが、心地良いと思っています。」

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