目指すは、感動を伝える舞台づくり
2013年11月30日(土)、富良野演劇工場でバレエ教室の発表会が行われました。富良野GROUP山本真央バレエ教室の生徒とゲストを合わせ、58名による華やかで楽しいステージが繰り広げられたこの日、ほぼ満員の場内から拍手が沸き上がりました。発表会の振り付けと、舞台構成を手掛けた山本真央さんにお話をお聞きしました。真央さんは、奈良県出身。富良野市に移住し、3年目を迎えます。バレエ教室を運営する他に、倉本聰さんが主宰する演劇集団「富良野GROUP」の女優として舞台に出演しています。
移住のきっかけは、倉本聰氏の作品との出会いでした。4歳からバレエを始め、20歳でバレエ団に入団。そして、バレエ以外の世界を見てみたいと退団した後、一番興味を持ったのが環境問題でした。作家養成講座に通っていた経験も活かし、家族の絆と環境をテーマにミュージカルを創作。演出も手掛け、自らも出演しました。その時に、ヒントとなったのが倉本聰さん作・演出の「富良野GROUP」の舞台だったそうです。「倉本聰さん(の作品)に出会い、大ファンにとなり、先生のもとで舞台を学びたいと思いました。」と、眼を輝かして語る真央さんです。
富良野を拠点として活動するGROUPは、キャスト・スタッフなどメンバーのほとんどが、「富良野塾」の卒塾生です。山本さんは卒塾生ではなく、オーディションによりメンバーとなり、富良野に移住してきました。移住する前の不安について聞くと、「女優だけでは食べていけない」「車の免許を持っていない」「北海道には住んだことがない」「友達がいない」…と当時の不安材料を次々と上げた真央さん。
「でも、なんとかすればいいと思ったので、絶対に移住すると決めました。」と、強い意志をもって富良野に来た気持ちを語ってくれました。その決意は「いろいろな人に助けてもらったり、相談したり」と、多くの人に支えられ、ここまで過ごした感謝の気持ちに繋がっています。 移住を考えている人へのメッセージは、「住んでみたらいいと思います。すごく素敵なところだから。自然と人間・まちの共存が素晴らしい」と地域の魅力を語ってくれました。でも、厳しい冬の洗礼を受けたエピソードも。「水道を3回凍らせました。1回目は、助けてもらったけれど、その3日後に、水落としを忘れて。今度は、自分でなんとかしようと3日間ドライヤーの熱風を当てたら水が出ました」と、大変だったことも面白そうに語ってくれました。
これからも富良野に住み続けたい理由は、「人に感動を与える作品を創り出すことが目標です。そのために倉本先生に学び、バレエも続けていきます」と、答えてくれました。もうすぐ(2014年1月18日)始まる富良野GROUP公演2014年冬「マロース」に出演するため、約一ヶ月間の稽古が始まります。本番は、富良野を始め、道内そして全国公演と3月まで続きます。多忙な毎日も、「感動を伝える舞台づくり」の目標に向かって充実しているようです。
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