2013年(平成25年)2月8日、農業の新規参入者と研修生らの交流会を富良野市が保健センター研修室で開催しました。新規就農者3組と、現在、研修中の6名が、一堂に会して情報共有や意見交換をするのは、初めての試みで、就農者・研修者同士のネットワークを強くするのが目的です。
研修中の6名の現在の研修場所や将来、作りたい作物などの自己紹介の後、新規就農をしている先輩との意見交換が行われました。研修生から、資金の借り入れや農地の決め方などの質問があり、「農地を決めるまでが大変。希望する農地を取得するのは難しく、辛抱強く納得のいくまで待つこと。そのためには、常にアンテナを立てておく」など、実体験に基づいた貴重なアドバイスをもらっていました。
この会に出席し、3年間の研修を終え、この春から就農する山川良典さんにお話を聞きました。岐阜県でサラリーマンをやりながら、日本全国を旅し、その風景と土地柄に魅了され、富良野で農業者になることを選択した山川さん。栽培する農作物をたまねぎと決めています。「収穫時に、たまねぎがすべてお金に見えるほど楽しかった(笑)」そうです。3年前に研修を始めた時の目標は、「10年後には笑って暮らしている農業家人生」と、明るくお答えいただきました。
山川さんは、第33次・第42次日本南極地域観測隊員として2回南極で越冬しました。「富良野の学田3区から眺める大雪山の麓に広がる演習林」と「昭和基地から南極を見た景色」が、瓜2つに見えたとか。そのユニークな発想や経験、そして、前向きな発言は、あと7年後には、必ず笑顔で暮らしているだろう農業家を想像させてくれました。
取材日:2013年2月8日(金)