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有限会社藤井牧場 代表取締役 藤井雄一郎さん

富良野市八幡丘


牛も人もどんどん育つ牧場を目指して

 富良野の基幹産業は、農業です。たまねぎ、メロン、にんじんなど、畑作の生産地として有名ですが、牛を飼って牛乳を生産する酪農のイメージはあまりないかもしれません。しかし、酪農家の戸数は多くありませんが、牛一頭から搾乳される生乳生産量が多く、衛生的乳質において全道でもトップクラスの水準を誇っています(市ホームページより)。

 その酪農家の1人、大規模経営と多角化に取り組む藤井牧場の藤井雄一郎さんにお話を伺いました。牧場は八幡丘にあり、開拓以来、今年(2013年)で創業109年を迎えます。昨年度は、農林水産省から国内初、農場HACCP(※)として認証されました。社長の雄一郎さんは、5代目として、搾乳牛約200頭、育成牛約250頭を飼育、牛の肥料であるデントコーン70ha、草地50haの作付けの事業を行っています。また、6次産業化への取組みとしてチーズ生産も始め、消費者とダイレクトにつながる試みも始めました。

 スタッフ15人で、24時間、年中無休の牧場運営に陣頭指揮を取る雄一郎さん。牛たち以上にインパクトのある大きなお姿で熱く語る「事業内容、6次産業への取組み」などに魅了されました。また、次世代へ向けて酪農家としての取組みを発信する牧場のホームページも充実。一度ご覧になることをお勧めします(http://www.fujii-bokujo.com/)。藤井社長の年頭挨拶は「『牛も人もどんどん育つ牧場』を目指して」。質の高い牛乳の生産や、美味しいチーズの生産をし、消費者の信頼を得るためには、まずはしっかりとした牛の育成。そしてその牛が生き生きと暮らせるための環境づくりをする「人の成長」が目標に掲げられています。

 取材中も合間を縫って、携帯電話での連絡やスタッフへの指示が途切れることなく行われ、酪農業の忙しさ、大変さを実感した1日となりました。牧場で働きたい人へのメッセージは、「酪農に強い想いがあり、牛が大好きであること。そして酪農技術を真剣に学びたいと思っている人。技術・知識・経験・体力・忍耐が必要です。」でした。

※農場HACCP(農林水産省ホームページより)
畜産農場にHACCPの考え方を採り入れ、家畜の所有者自らが有害物質の残留等の危害や生産物の温度管理等の重要管理点を設定し、継続的な記録管理を行うことにより、生産農場段階での危害要因をコントロールする飼養衛生管理。

取材日:2013年1月9日(水)

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